Vガンダムは∀の次に好きなガンダムだったりする。
ともかく人が死ぬ。
全体的に雰囲気が暗いなどで、ガンダム好きでも全話見たこと無い人もいるであろうVガンダム。
しかし、誤解しないで欲しいがVガンダムは面白い!!
面白さの証明にはまったくならんが、ワシはVガンダムのあるシーンを、思い出しただけでボロボロ泣くことができる。
今日も帰りの車で思い出したら冗談でもなんでもなく涙が出てきた。
それは第50話「憎しみが呼ぶ対決」のリーンホースJr.特攻シーン!!
このシーン以上にワシの涙腺を刺激したアニメを知らない!!
実際にそのシーンを見ながら語ってみようと思う!
最終決戦、総力戦の中エンジンに被弾する主人公の母艦リーンホースJr.。
今まで指揮をとってきた老人たちはある覚悟を決める。
まずはジン・ジャハナムの台詞。
「そろそろ、覚悟をする時かな、艦長!」
このオッサン、いわゆる偉い人なのだが、初登場時あまりのヘタレさに主人公ウッソを失望させたほどのヘタレだった。
ちょっと腕をぶつけたくらいで弱音を吐き、看護兵に「腕が折れてるかもしれん!」などとほざいていた。
その後も役に立つことはなく、いつの間にかブリッジにただいて、たまにとんちんかんなことを言いながらわめいていた記憶しかない。
そんなオッサンが、ここにきて覚悟を決めたのだ。
そしてその瞬間、「いくつもの愛をかさねて」のイントロが始まる。
ガンダム史上に残る名曲とも言えよう。
ワシはこの歌を歌いながらでも泣くことができる!
そしてゴメス艦長が言う。
「ジン・ジャハナム閣下もそうお考えなら!」
閣下と呼ぶのも形式上のことで、まぁジャハナムを適当に扱っていたのだが、この局面に来てもその呼び方は崩さない。
しかし、直前のジャハナムの言葉を聞いた艦長だからこそ、最期に閣下と呼んだのかもしれない。
オーティス「若い者だけは、退艦させた方がいいな」
ゴメス「よおし!ネス!総員に退艦準備をさせろ!」
ネス「退艦準備でありますか!?」
レオニード「まだリーンホースは働けるからな…。これからは、老人に任せて欲しいのさ」
ネス「レオニードさん…」
次々と覚悟を決める老人たち。
次々と追い出される若者たち。
ゴメス「駄々っ子のネスも追い出しましたが、いいですな!?」
ジャハナム「当たり前だ!ここまで来て、我々の働き場所が無いでは、ジン・ジャハナムの名前が泣くわ!」
実はこのオッサン、本当のジン・ジャハナムではない。
ジン・ジャハナムとは組織のトップに立つハンゲルグ・エヴィン(主人公の父)の偽名であり、彼はその影武者なのだ。
ジャハナム「若い者が生き延びれば…この名前は私のものとして語り継がれるってものさ…。行っていいぞ!ゴメス艦長!!」
そう言って、彼は笑った。
ああ、このオッサンは最後の最後でこんなに強くなったのか。
ゴメス「あいよ!いいな!?オーティスさんや!」
オーティス「いいともさ」
そして艦の外では、レオニードとロメロが壊れかけたMSに乗り、出撃しようとしていた。
左腕も外れ、コクピットハッチすら無いそのボロボロの機体で。
ロメロ「昔とった杵柄を見せてやる!」
レオニード「こ…こんなガタのきた機体じゃ何もできんぞ!」
ロメロ「砲台くらいにはなる!」
言った直後、艦体に尻餅をつくガンイージ。
そこからただライフルを撃つ。
切り離されたエンジン。
残ったエンジンに火がつく。
敵の主力艦体に特攻をかけるリーンホース。
正面からの艦砲は、巨大なシールドでガードし、ただただ前へ。
艦砲射撃では落とせないと見た敵はMS隊で攻め込ませる。
護衛の無い戦艦がMSへの対抗手段に乏しいことは、初代ガンダムから定石だ。
オーティス「ビーム・ラムを使うのだな!?」
スパロボユーザーなら知っているだろうが、ビーム・ラムはリーンホースの最強技とも言える。
前面に設置された超巨大なビーム・シールドを、前方に向けて収束させ、艦自らが巨大な槍となる。
もちろん中心に収束させているわけですから、防御範囲はほぼゼロと化すまさに諸刃の剣。
作品中でもこの一回しか使われなかった、まさに最終奥義。
守ることをやめた老人たちの戦い。
それを止めようとまとわりつくMS群。
艦体に座り込んだままのガンイージも必死に応戦する。
ロメロ「年寄りによってたかって!!」
オーティス「右から来る!右だ!!」
正面から、ガンイージのコクピットにライフルの銃口が向けられる。
オーティス「ほれ見ろ!!」
引き金は引かれ、コクピットは打ち抜かれる。
メガ粒子の直撃に、跡形も残るはずがない。
全身ボロボロになっても、前進を止めないリーンホース。
とうとうブリッジも正面を取られ、MSの目が光る。
キャプテンシートに座るジン・ジャハナムは生き絶えてしまったのか、うなだれたまま動かない。
ズタボロのブリッジの中、オーティスの姿もどこにも見えない。
しかし、ゴメス艦長は笑っていた。
「遅かったな!」
ゴメス艦長が最初に登場した時、彼は「給料泥棒」と言われるほどのやる気の無いおっさんだった。
そんなオッサンが、こんなところまで来て、こんなにもかっこいい言葉を言えるようになったのだ。
直後に爆破されるブリッジ。
これでリーンホースの老人たちは全員死んでしまった。
しかしゴメス艦長の言う通り、時すでに遅し。
ビーム・ラムはその輝きを失わず、リーンホースの前進を止められるものもいない。
アドラステアは轟沈し、二艦のエンジンが誘爆することにより、付近に展開したモトラッド艦隊は全滅することになる。
「老人だから若い者を残して先に死ぬべき」という露骨な考え方でもあると思うが、実際にこのシーンを見た時の衝撃といったら無い。
「遅かったな!」の台詞を聞いた瞬間、涙があふれて止まらなかった。
子供たちを巻き込んで、大人の都合で話を進めてきた、勝手な人たちだった。
そんな人たちが、少年たちと共に歩み、成長し、最後の最後で責任を取りに行ったのだ。
若い命を後に残して。
なんかただあらすじ説明しただけになった!!まぁいいや!
賛否あるだろうが、みんな、このシーンのために全話見ろ!!
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