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4コマ漫画家を目指すブログ。
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「第9地区」見てきました。
話もシンプルで迫力もあって、ああ、アメリカ映画だわぁ。と思いました。

でもストーリーでちょっと突っ込みたいところがありました。
ネタバレありなんで見たくない人は見ないでください。

あと「批判ばっかしてんじゃねーよ!」って思う人も見ないでください。
そういう純粋な人は、こんな批判ばっかりしてるオタクにならないようにしてください。

以下、続きから

拍手[9回]



主人公ヴィカスがクズすぎる!!!!!!!!!

もう本当その一言に限ります。
最初はね、ちょっと善人として描かれていたんですよ。
奥さんとののろけ話したり、周りの人もヴィカスを褒め称えて、血の気の多い軍人に否定的だったり。
で、そういうキャラとして認識しておいたら、すぐに第一の凶行が。

第9地区の簡単なあらすじは、ある日突然やってきた宇宙船。
動かない宇宙船、栄養失調で死に掛けた宇宙人。地球人は仕方なく保護し、宇宙船の真下に第9地区を設け、20年の時が経つ。
野蛮な宇宙人たちに嫌気がさした地元民は暴動を起こし、どっかへやってくれと言い始める。

まぁ、第9地区で管理していた宇宙人を、もっと人気のない僻地に作った「第10地区」に移そうという計画の責任者がヴィカス。
第9地区で宇宙人らの小屋を回り、適当にサインをもらうだけの仕事。
抵抗する宇宙人は軍人さんが撃ち殺します。
宇宙人は強いので、軍人さんも腕をひきちぎられたりします。

とある小屋を開けると中に宇宙人の卵がびっしり。
牛の死体から繋がれたパイプで、卵に栄養が送られているのですが、それを一本一本、にやにや笑いながら引き抜くヴィカス。
「ええぇぇ…」宇宙人の人権的な部分でヴィカスってもうちょっと優しい人だと思ってたんだが。
まぁこの程度なら…うん、笑いながらなのは気になるが、確かに宇宙人が増えると色々困るしなぁ…。

だが、その直後、軍人さんが火炎放射器で小屋ごと焼却。
卵から聞こえる断末魔の声。

そしてはじけ飛ぶ卵の音にヴィカスが大爆笑。
「ほら聞こえるかい!?卵がポップコーンみたいにはじける音だよ!」
あ…ダメだこいつ…最低だ…。

賢い宇宙人クリストファーが20年かけて作った宇宙船の液体燃料。
ヴィカスはそれが何かも分からずいじってるうちに、液体を顔面に浴びてしまう。
で、徐々に体が宇宙人に変わっていってしまい、上層部はヴィカスを人体実験にかける。
「臓器が数十億で取引されるだろう」と全身を切り刻まれそうになったところで、必死の抵抗によりヴィカスは逃げ出す。
愛する妻のもとに帰るために、ヴィカスは元の体に戻るすべを探す…!というのが本筋のストーリーだ。

まぁこの時点でヴィカスに対する評価は若干マイナスくらいなんだが、もちろんまだ下げ止まらない。

既に片腕が完全に宇宙人化してしまったヴィカス。
指名手配され、人々からも蔑まれ、やむなく第9地区に忍び込む。
軍人から逃れるためクリストファーの家に飛び込み、その地下に、宇宙船の司令船を発見する。

クリストファーが言うには、ヴィカスが持ち去った燃料さえあれば、20年動かなかった宇宙船が動き出し、宇宙人は全員母星に帰れるというのだ。
さらに、宇宙船にはヴィカスの体を直せる設備もあると!
しかしあの燃料はヴィカスが人体実験の餌食にされたあの研究所。
覚悟をし、クリストファーと共に乗り込むことに。

途中色々あったけどなんやかんやで取り戻し、これで宇宙船動くぞ!帰れるぞ!戻れるぞ!!
となったところで、クリストファーから「直すのには3年かかる」と言われ、絶望するヴィカス。

「ああ、まぁしょうがないよな、一緒に宇宙船に行って、3年我慢するしかないよなぁ」とワシは思ったのですが、なんかよくわからんが、『クリストファーとその息子だけ宇宙船に戻って、一度母星に帰ってまた来る。ヴィカスはここで待っててくれ』みたいな流れ。
よく分からんが、定員2人とかなのか…?いや、普通に一緒に行けよ。

ぶちぎれたヴィカスがクリストファーをぶっ飛ばし、勝手にひとりで司令船に乗り込む。
ぶっとばされたクリストファーは軍人に捕まり、銃をつきつけられ、散々殴られます。

当然ヴィカスには司令船を動かす知識も技術もなく、フラフラ運転してるところを軍人に撃ち落されます。

妻にまた会うため必死になる、とかそういうのじゃ済みません。
完全にこの行動は意味がわかりません。
ちなみに、このあとこのことに関して彼からクリストファーに謝罪があったり、彼が後悔するような描写は皆無です。

何やってんだクズ!!!!!

と思ったのもつかの間、墜落した直後「宇宙人になりたい」という野望を持った地元ギャングに捕まるヴィカス。
ほっぽらかされた司令船にはクリストファーの息子がひとり残されていた。
クリストファーの息子は結構な天才児で、司令船の機能を使いこなし、パワードアーマーを遠隔操作してヴィカスを救出。
いや、息子よ、そんなクズは見殺しでいいんだよ。
そんなんより軍人に捕まってる親父の方を助けて大空へ飛びたて。
こっちは君が色々システムをいじり始めた瞬間に、ヴィカスがギャングにぶっ殺されて、君ら親子だけが無事助かるというエンディングを期待してたんだから。

パワードアーマーに乗り込んだヴィカスはほぼ無敵。
宇宙人の兵器により、軍人さんたちがトマトのようにはじけ飛びます。
で、またしても軍人に痛めつけられるクリストファー。
それを見たヴィカスの名言。
「そいつは好きにしろ!その代わり僕を見逃してくれ!!」
そして全力失踪で逃走。

転んで死ねよクズが!!!!!!!

しかし、しばらく走ったあと、やはり戻ってくるヴィカス。
うん、ポップだよね?ダイ大のポップだよね?
まぁ王道ですよ、逃げたけど戻ってきた、ってのは。

しかし、それまでのクズっぷりがハイレベルすぎてその行為すら「死ねクズ!!」としか思えない奇跡。
たとえるなら、「オレのちょっとしたミスで100人くらい軽く死んじゃったけど、とりあえず目の前のひとり助けたからオレ最高じゃね?」と言われてるようで辟易した。
しかも、まさに今、自分のせいで撃ち殺されようとしていたクリストファーに「助けてやる」とかほざく。
明らかに「ちっ、しょうがねぇなぁ」という感じで。

お前マジで死ねよクズが!!!!!!!!!

なんやかんやでクリストファーを助けて、司令船まで走るふたり。
ヴィカスが超強固な装甲で覆われてる中、クリストファーは鉄の板一枚で弾丸の雨の中を必死で走ります。
クリストファーがんばれ、クリストファーマジ頑張れ。
ちなみに物語冒頭でヴィカスの指揮のもとクリストファーの友人が射殺されております。

宇宙人のパワードスーツとはいえ耐久力に限界はあり、やがて動きがにぶるヴィカス。
ガタガタになりながらも、クリストファーに「オレが残って戦うからお前は行け!」と言う。
普通ならすげぇいいシーンなんだろうが、この時点でワシの彼に対する評価は1ミリたりとも上がることはなくなっている。

「必ず戻ってくる…!」と言い残し、司令船へ急ぐクリストファー。
いや、いいよ戻ってこなくて。
そんな価値ないよこいつに。

抵抗するも、軍人の熾烈な攻撃に消耗していくヴィカス。
死ーね!死ーね!
とうとうパワードスーツは停止し、コクピットから落下する。
丸腰の状態で、軍人と対峙し、よっしゃぁようやく終わるか!と思ったところに、野良宇宙人がいっぱい現れ、軍人さんを食いちぎる。

………え…?

司令船にたどりついたクリストファーは上空に浮かぶ巨大な宇宙船にドッキングし、宇宙船は飛び立っていく。
ひとり呆然と宇宙船を見つめるヴィカス。

………あれ…?

それからしばらくの時間が経ち、クリストファーが戻ってくるか、戻ってこないか、そして戻ってきたとしても、それは仲間の救出に来るのか、それとも地球人へ戦争を仕掛けにくるのか…。
そして、ヴィカスの妻の下に送られてきた鉄くず製の造花。
妻「彼は正直な人でした」
荒れ果てた第9地区には鉄の花を作る宇宙人の姿が…。
というエンディング。

よろしい、宇宙戦争を宣言する。

とりあえず、要約すると「クズがクズなのに死ななかった」というお話。


映画は面白かったと思うのだが、突っ込みたい気持ちでいっぱいになった。
なんか結構いい評判みたいですし、ワシが変なだけで普通に見たらこんな風には思わないのかもね!



もうひとつ言わせてもらえば、クリストファーが20年間地球人にバレないように必死に司令船の燃料を集めてましたが、これはしっかり公にして、地球人に協力してもらうという選択肢はなかったのか?ということ。

20年かかったというのはあくまでも「近所のゴミ捨て場」なんていう超限られた範囲限定で探していたからであって、むしろそんな超限られた範囲内でも見つかるようなもん(しかもゴミとして捨てられるようなもの)なら、世界規模で探せば数日かからないんじゃないだろうか。

地球人としても宇宙人には即刻出て行ってもらいたんだし、めっちゃ協力してくれるだろ。
「地球人が信用できない」とかの説明もつくだろうが、いや、そもそも初期の地球人は栄養失調で死に掛けてた宇宙人を何の見返りも求めず養ってくれた、聖人君子そのものじゃねーか?
その後色々宇宙人が暴れたり(窃盗・殺人なんでもござれ)それに嫌気がさした地元民が暴動起こしたりしたせいで今の宇宙人差別や宇宙人排斥が起こってるわけで、最初の頃にまともに話のできるクリストファーがちゃんと申し出てれば、みんな損しなかったと思うんだが。

そう思ってから、なんか「なんでこの人たちこんな殺し合いやってるんだろう…」と醒めた目で見てしまった。
それをさも「勇気ある行動」みたいに描かれてもなぁ…。
あくまでも「悪いのは宇宙人を人体実験に使ったり、ヴィカスも実験の道具としてしか扱わなかった上層部の人間だ!」と描かれていて、そもそもの原因になってる宇宙人が色々置き去りになってやしないだろうか。

クリストファーも段階を踏んで、あんなどさまぎで親子ふたりだけ脱出すんじゃなく、時間に余裕を持って全員で帰ればいいじゃないのさ。

ともかく後半は「ヴィカス死ね!今だ死ね!クリストファー親子がんばれ」と思いつつも「でもなぁ…これ全部クリストファーが原因だよなぁ…」と思っちゃって色々複雑だった。

ともかくごく自然にグロイので、カップルで観に行くとか絶対やめた方がいい。
男一人でゆっくり観に行ってね!
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最終掲載日 2011.6.25 
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